ZEB-Readyを取得し環境省の補助事業に採択
蟹谷こども園は、児童数の変化への対応や公共施設の集約計画により、3つの保育所を統合し、新たに認定こども園として令和2年4月に開園しました。施設の利用定員は135人のところ、令和3年11月現在は117人が在籍しています。地中熱利用換気システム「ジオパワーシステム」は、3・4・5歳が過ごすエリアに導入されています。
導入後のご感想は?
普段窓を開け、開放的に過ごすことが多いこども園ですが、夏の暑さが厳しい時期にはシステムに組み込んだEHPを活用することにより、湿度が低くサラリとした空気の中で快適に過ごせています。冬の季節は特にその良さを感じ、肌寒さを感じるようになってから徐々に蓄熱層を温める温度を高く設定するように活用しています。床面から暖かさを感じるので、とても快適に過ごすことができています。活動量の多いこどもたちにとって、年中快適に過ごせています。
ジオパワーシステムを導入した理由は?
蟹谷こども園の計画を進めていくうえで、「地域の省エネシンボル」を目指していこうと、ZEB化(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル化)の検討を行っていました。ZEBの導入には、建築の形態や計画で操作を行うパッシブデザインの探求、高断熱化、高効率化を追求した設備の導入、そして自然エネルギーの活用等、多種多様な検討を重ねました。
北陸という地域は、年間雨量が多く年中湿度が高い地域で、冬には降雪があり晴れ間が少なく曇天の日々が続きます。太平洋側と違い、寒い冬には太陽光・太陽熱の恩恵を受けるには難しいと考え、ほかに自然エネルギーを活用したシステムはないかと模索しておりましたところ、地中熱を利用した換気システムの導入を検討し始めました。また、同こども園の空調の方式として、子どもたちの居場所に近いところで温熱環境を整えてあげたいと思い、EHPだけではなく、床面で輻射熱空調する床暖房などのシステムの導入も検討していました。
GEOパワーシステムは、床下に蓄熱層もあり、子どもたちのいる空間で快適に空調してあげることができます。深夜の時間を利用して蓄熱を行うことにより、電力のピークカットの効果も期待できます。また、空気の循環により、清潔な空気を保つこともでき、こども園にとっては最適なシステムだと思い、導入に至りました。



Data
完 工 | 2019年2月 |
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設 計 | ㈱シバタ建築設計事務所 |
GEO施工 | 前田建設株式会社 |
タイプ | 多機能型換気システム(蓄熱有) |
GEOパイプ | 6本(φ380) |
延床面積 | 1948m2 |
GEO対象面積 | 約458m2 |